スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

永遠亭診療所

酒場が崩壊したあの事件から3日が過ぎた。重傷を負った者、無傷で切り抜けた者、皆それぞれだったが、取り分け重傷を負ったのはナイトメアだった。
元々丈夫でない体に、最初に入ったしまったが故の最大被害が重なった結果、軽度の全身打撲と右腕骨折ですぐに永遠亭に運び込まれることなり、今もその寝台の上にいた。


入院患者に出来る事はとても限られている。だから入院はつまらないものである。その多分に漏れる事なく、
「…することないな。」
ナイトも暇を持て余していた。かれこれ3日も寝台の上にいる上、全身打撲で体は痛いわ、骨折で右腕は動かせないわで安静にせざるを得ない。わかっているからこそ、余計に暇だった。
そこへ木製の横開きの戸に特有のスーっという擦り音と共に、
「具合はいかがですか?」
鈴仙が入ってきた。その手にはナイトの分であろう昼食を配膳盆に乗せて持って来ていた。
「まだ全身が痛みますね。無理すれば動けないこともないと思いますけど、痛みでそれどころじゃないと思います。」
冷静に自己診断を言うナイト。寝台脇に持ってきた配膳盆を置いて、鈴仙も話を続ける。
「内科系なら即効性のお薬もあるんですけど、外傷はそうもいきませんから…。」
「そうですよねー。」
少し苦笑いも込めた鈴仙の言葉に、聞いたナイトも頷く。この会話の最中に、鈴仙は手際よく雑事もこなしていた。そしてその雑事が終わると、ナイトの方へ振り向いた。
「さて、他の事は終わったし、食事の時間にしましょうか。」
「う…やっぱり…避けられないことは判ってても辛いな…。」
にっこりと笑ってナイトに言った鈴仙とは対称的に、ナイトは諦観と拒絶が綯い交ぜになった不思議な顔をしていた。


「はい、口開けてー。」
「うぅ…。」
やや涙ぐみながら鈴仙の言う通りに口を開けるナイト。そこに鈴仙は持っていたご飯を入れる。…つまるところ、食べさせてあげているという状況だ。
別段不思議なことではない。利き腕が折れてろくに食器も掴めない状況だ。誰かに食べさせてもらうしかない。ナイトもそれは重々承知しているが、それでも恥ずかしいものは恥ずかしい。しかも相手が女の子であることがそれに拍車をかけ、ナイトの精神状態はこの時間だけとても急降下していた。
「はい、あーん。」
「…。」
もはや言葉を答える気力も無いのか、ただただ無言で口を開けては食べるナイト。この食事自体は病人食も作れる永琳製作のものである。おいしくないはずがない。恥ずかしいが、このご飯は食べたい。そんな葛藤に悩まされながら、ナイトは鈴仙の運ぶご飯を食べるのであった。
スポンサーサイト

comment

Secret

まさか食べさせてもらうとは・・・

ううむ、夢が広がりんぐ


とまぁ、こっちの妄想まで自重しない感じに
なってしまうわけですが。
今後の展開に期待(ぇ
ブログ内検索
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。